駅でチラシや割引券を配布する姿をよく見かけます。
またエナジードリンクやお菓子の新商品を街頭で配っている光景もたまに見かけますね。
こうした行為(=サンプリング)はどれほど有効でしょうか?今回はサンプリングがよく行われる「駅」にフォーカスして考察してみます。
JR東日本が公表している、各駅の乗車人員 2019年度 ベスト100を参考に考察を進めます。
これによると、JR東日本における駅利用のトップ15は以下のようになります。
1、新宿
2、池袋
3、東京
4、横浜
5、品川
6、渋谷
7、新橋
8、大宮
9、秋葉原
10、北千住
11、川崎
12、高田馬場
13、上野
14、大崎
15、有楽町
ここから、想定される利用者層、効果と、サンプリングに向き不向きの駅を考察します。
JR利用者層の想定
当たり前ではありますが、ビジネス街ではサラリーマンが、学生街では学生が、住宅街では様々な属性が集まります。
関東の利用客数が多い駅のうち、特にビジネス色の強い駅が東京(大手町)、新橋でしょう。品川や有楽町もビジネス利用客が多く見られます。
一方で学生が多く見られるのは渋谷、高田馬場。また住宅街としては大宮、北千住、川崎、大宮が挙げられます。大崎もタワーマンションなど住宅が増え、特に富裕層にリーチしやすい駅となっています。
渋谷、新宿、池袋など副都心エリアはビジネス利用も学生・主婦層の利用も多く、また土休日で観光利用も多く見られます。
サンプリング実施の駅は大きいほどよいのか
では、ひとつここで質問をしてみましょう。
「それぞれのターゲットに合わせた場合、大型の駅の方が効果が高まるか?」
YES・NO両方あると言えますが、概ね「NO」のほうが大きくなります。
その理由として、
・出口が多すぎて乗客が分散する
・人通りが多すぎてサンプリングしにくい場合がある
などの理由があります。1つずつ確認していきます。
・出口が多すぎて乗客が分散する
これはいわゆるターミナル駅全般で言えることですが、大型の駅は出口も多く、利用客が分散します。
街頭サンプリングは駅構内で行うと駅員につまみ出されますから、必然的に出口で行うことになりますが、出口が分散することでターゲットへのリーチ数も減ります。
例えば新宿駅の改札は8ヶ所、多方面に点在する出口は、地下から地上への出口や駅ビルから外への出口なども含めると、その数は200以上とも言われます。とても1人ですべて賄うことは出来ません。
ただし、この分散を逆手にとり、ターゲットを絞る戦略もアリです。
例えば渋谷駅の16C出口は駅から遠く利用客は多くありませんが、青山学院や國學院大學に通じるため小学校から大学までの学生利用が多く、朝の時間帯に学生向けのサンプリングを行うには良い立地です。
・人通りが多すぎてサンプリングしにくい場合が
字の通り、混雑が激しすぎてまともにサンプリングが行えないという意味合いもありますし、また集団心理が働きやすいため、せっかくサンプリングを行っても、誰かが受け取りを拒否すると「前の人が断ったから自分も受け取らなくていいや」という考えが連鎖します。
サンプリング品の受け取り手は、これにより大きく減ります。
そのため、出口の少ない品川駅や高田馬場駅も、利用者が数箇所の出口に集中することから、いざサンプリングを行うと想定以上に受け取り手が少ないと感じられるかも知れません。
このような場合、駅から多少距離を取ったり、エスカレーターやオフィスの出入り口など、人が1〜2列になる環境を狙ってみると受け取る割合を高められます。
また、街頭でのサンプリングは人件費が発生し、また人通りによって効果のばらつきが見られることも事実です。
「ルートサンプリング」の併用がオススメ
もし効果的なサンプリングの方法を探している場合、スタッフをつかった街頭サンプリングのほかに、店舗やオフィスに試供品を設置するルートサンプリングも平行して実施するのがおすすめです。
ルートサンプリングであれば、各店舗の利用ターゲットがそのまま想定ターゲットとなり、ピンポイントでのマーケティングが行いやすいほか、施設に置かれることで街頭サンプリングよりも信頼性の獲得が容易になります。また人件費の発生もありません。
ルートサンプリングのマッチングサイト「ヨブタメ」であれば、メーカー側の配布依頼とユーザーの「ほしい」をマッチングし、試供品を生かしたルートサンプリングがほぼコスト0で実施できます。
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